「北海道と本州の住宅事情の違い:屋根材から暖房設備までの進化と工夫」

「北海道と本州の住宅事情の違い:屋根材から暖房設備までの進化と工夫」

皆様、こんにちは。札幌ではコスモスが咲き始め、北海道の大雪山系からも紅葉の便りが聞こえそうな今日この頃です。

大雪山の紅葉は日本で最も早い紅葉の一つとして知られていますが、一般的に大雪山の紅葉は8月下旬から始まり、見ごろは9月中旬から10月上旬です。

昨年は9/16日が始まりと聞きました。大雪山系は広いですし、場所によって違いますが、そろそろなのは間違いないです。

秋はあっという間に過ぎ雪虫が目や鼻に入るころ、初雪が降り長く厳しい冬がやってきます。

初霜が9月下旬と言った年もありますから分かりません。

12月中旬から下旬には根雪になりますので、早くも冬の準備と装備を点検したり用意したりしなければなりません。

このページでは【住宅編】と言うような感じでご紹介させて頂きます。

北海道と本州の住宅構造の違い:寒冷地ならではの工夫とは?

北海道の住宅は、本州の方々から「マッチ箱のように小さい」と言われることがしばしばあります。しかし、その理由は単純な大きさの問題ではなく、寒冷地特有の構造にあります。

たとえば、北海道の家には廊下がなく、縁側もほとんど見られません。これにより外観が小さく見えることがありますが、実際には効率的な暖房システムのおかげで、内部は広々としています。

下記にも登場する【二重窓】と【玄関フード】に関しましては、とても分かりやすくご紹介して下さっているサイトがありますので、そちらを是非御一読して頂ければと思います。

まさかまさおさんが運営しているサイト【内窓どうでしょう】です。

トップページは→こちらです。

二重窓については【実録】北海道の二重窓について45年暮らしている私が説明してみた!は→こちらです。

そして、ページをスクロールしていきますと、「北海道の玄関は二重になっている?」がありますこちらです。

縁側が少ない理由

北海道では冬の寒さが厳しく、縁側のような外気に接する空間は室内の温度を下げる要因となってしまいます。特に冬季には縁側が凍結してしまい、使い勝手が悪くなることも。

また、雪が積もると除雪の手間がかかり、縁側自体が雪の重みで破損するリスクもあります。そのため、北海道の住宅では縁側が少なく、気密性を保つために閉じられた空間が主流となっています。

廊下が少ない理由

次に廊下が少ない理由ですが、スペースの有効活用が一つの要因です。

廊下を設けるとその分居住空間が狭くなりますし、暖房効率も低下してしまいます。暖かさを均一に保つために、廊下を省略することで、暖房が家全体に行き渡りやすくなるのです。

☆彡このように、北海道の住宅は気候に合わせた実用的な工夫が随所に施されています。

場所によってはあります。

ないない、とご紹介していますが、函館市内の特に元町を散策しておりますと「トイ」も「瓦屋根」もあります。

あとは、松前町(松前城のある関係で)

松前町パンフレット↑

写真提供:土方歳美さん 場所:松前町松前城の夜桜 2024/04/08

江差町:商業の街として栄えニシン番屋などがあるい『にしえ街道』にあります。

写真↑余市町『旧下ヨイチ運上家』など

伊達市(仙台伊達藩の方々が移住されて北海道でも温暖に気候の為)にわずかですがあります。

北海道の屋根材と設備の工夫:瓦屋根や雨戸が少ない理由とは?

北海道を訪れるお客様から、車窓から見える住宅についてよく質問されるのが「瓦屋根がない理由」や「雨戸がない理由」です。

本州と比べて異なる建築様式に驚かれることが多いですが、これには北海道の気候に深く関係する理由があります。

瓦屋根が少ない理由

まず、瓦屋根が少ない理由ですが、北海道の積雪の重さが大きな要因です。

瓦は重く、冬季に多くの雪が降る北海道では、屋根にかかる負担が非常に大きくなります。そのため、瓦を使用するには建物の構造を強化する必要があり、コストが増加してしまうのです。

また、寒さで凍結や融解を繰り返すと瓦が割れやすくなるため、耐久性にも不安が残ります。さらに、瓦は主に本州から取り寄せる必要があり、コストや供給面でも制約があります。

北海道の寒さについては当ブログ【旭川の発展:永山屯田から現代までの歩み】の→こちら

そこで板で作った屋根の次に使われていたのが波状の素材で「波板(なみいた)」と言います。波板は、波のような形をした屋根材で、主にトタン製やガルバリウム製のものが使われていました。

つなぎ目を大きな画びょうのようなもので止めていたのは「傘釘(かさくぎ)」と呼ばれる留め具です

雨戸が少ない理由

続いて雨戸が少ない理由ですが、これは台風の影響が少ないことが一因です。北海道は台風の直撃を受けることが少ないため、雨戸の必要性が低い地域です。

また、冬季に雨戸を閉めると凍結して開かなくなる恐れがあるため、実用性に欠けます。防犯対策もペアガラスや防犯フィルムで十分に対応されており、雨戸を設置する必要性がほとんどありません。

雨樋(トイ)が少ない理由

さらに、雨樋が少ないのも北海道の特徴です。理由としては、雨樋が凍結すると破損や詰まりを引き起こすリスクがあるため、設置しないことが一般的です。

また、雪が雨樋に積もると、その重みで破損するリスクも高まります。これらの理由から、雨樋の設置も控えられることが多いのです。

北海道で一般的な屋根材

では、北海道の厳しい気候に適応するためにどのような屋根材が使われているのでしょうか。以下が主な例です。

●ガルバリウム鋼板: 耐久性が高く、錆びにくい特性を持つこの屋根材は、軽量で耐震性にも優れており、北海道の住宅で最も一般的です。


●トタン屋根: 安価で施工が簡単なトタン屋根は、ガルバリウム鋼板に比べて耐久性は劣りますが、依然として多くの住宅で使用されています。


●アスファルトシングル: 軽量で施工が容易なこの屋根材は、新築住宅で人気があり、デザイン性にも優れています。

これにより、北海道の住宅がどのようにして厳しい気候に対応しているか、そしてなぜ瓦屋根や雨戸が少ないのかが理解いただけたかと思います。

三角屋根から無落雪屋根へ:北海道の屋根事情の進化

北海道をドライブすると、かつての三角屋根が多く見られた時代を思い出される方も多いかもしれません。

お客様からも「なぜ三角屋根が多いの?」とよく質問をいただきます。実際、このデザインには北海道特有の理由がありました。

三角屋根が多かった理由

まず、三角屋根が多く採用された理由は、積雪の自然落下が可能だからです。傾斜があることで雪が自然に滑り落ち、屋根にかかる雪の重さを軽減できます。

また、三角屋根は構造が比較的簡単で、建築コストも抑えられるという利点がありました。さらに、日本の伝統的な建築スタイルとして、親しみやすいデザインであったことも普及の理由の一つです。

しかし、近年では三角屋根に代わり、無落雪屋根が主流となりつつあります。この変化にはいくつかの理由があります。

無落雪屋根とスノーダクトの普及

無落雪屋根は、雪が屋根に落ちず、自然に溶けて排水される仕組みです。このタイプの屋根は、雪が落ちる際の事故リスクを減らし、除雪の手間を軽減するため、安全性が高まります。

特に都市部では、隣接する敷地に雪が落ちる心配がないため、住宅が密集する場所に適しています。

無落雪屋根の中でも、スノーダクトというシステムが普及しています。スノーダクトは、雪の多い地域で効率的に排水を行うために開発された仕組みで、雪解け水をしっかりと排水する設計がされています。

真横から見ると平らな屋根ですが、上から見ますと緩やかなVの字のようになっていて、そこから排水します。

スノーダクトの特徴と選び方

スノーダクトは、北海道のような寒冷地で特に重要な役割を果たします。ここでは、スノーダクトの特徴と選び方について詳しく見ていきましょう。

と言いましても、↑の写真では分かりにくいですが。

●効率的な排水: スノーダクトは、屋根に積もった雪や雪解け水を効率的に排水するため、屋根や建物にかかる負担を軽減します。これにより、雪による被害を防ぎます。

●耐久性: スノーダクトは、耐久性に優れた素材で作られ、長期間使用できます。特に、耐候性や耐腐食性に優れたステンレスやアルミニウム素材が推奨されています。

●凍結防止機能: 一部のスノーダクトには、雪解け水が凍結するのを防ぐための凍結防止機能が搭載されています。これにより、排水のスムーズさが確保されます。


簡単なメンテナンス: スノーダクトは、ゴミや氷の詰まりを定期的に取り除くクリーニングが簡単に行える設計です。

スノーダクトの選び方のポイント

スノーダクトを選ぶ際には、以下のポイントに注意することが重要です。

●耐久性のある素材: 長期間使用するためには、耐候性や耐腐食性に優れた素材を選ぶことが大切です。ステンレスやアルミニウムなどが一般的に選ばれます。

●凍結防止機能の確認: 雪解け水が凍りやすい地域では、ヒーター内蔵型や断熱材付きの凍結防止機能があるスノーダクトを選ぶと安心です。

●適切なサイズと形状: 屋根の形状やサイズに合ったスノーダクトを選ぶことも重要です。適切でない場合、排水効率が低下する恐れがあります。

●信頼できる施工業者の選定: スノーダクトの設置には専門的な技術が必要です。信頼できる施工業者に依頼することが長持ちの秘訣です。

☆彡北海道の厳しい雪の環境にも対応するために、三角屋根から無落雪屋根への移行は、安全性やメンテナンスの容易さを重視した進化といえます。

北海道の暖房器具の歴史と進化:寒冷地ならではの工夫と技術の変遷

北海道の厳しい寒さをしのぐために、暖房器具は時代とともに進化してきました。寒冷地に住む人々の工夫や技術の発展が顕著に見られる領域です。

北海道の住宅には、効率的に家全体を暖めるための独自の工夫が数多く取り入れられています。

その歴史を振り返り、現代までどのように進化してきたのかを見ていきましょう。

歴史的な暖房器具の変遷

最初に用いられた暖房手段は屋外でのたきびでした。たきびは、簡単で効率的に周囲を暖める手段でしたが、もちろん屋外での使用が主で、屋内での暖房手段が求められていました。

札幌市西区琴似の屯田兵屋の中

次に登場したのが囲炉裏(いろり)です。囲炉裏は室内での暖房手段として、炭火を使って暖を取り、調理にも利用されました。囲炉裏は、暖房と調理を同時に行うことができ、非常に便利でしたが、燃料となる炭を継続的に管理する必要がありました。

その後、薪ストーブが登場し、木材を燃料とすることで、より効率的な暖房が可能となりました。薪ストーブは多くの家庭で普及し、特に寒い冬の間、家庭内を温かく保つのに一役買っていました。

↑の写真、今も人は住んでおりますが、石炭小屋、薪を積んでいた小屋も無くなって煙突と、トイレの汲み取りのフタが見えています。

薪割りが、これまた重労働でした。冬、一家の大黒柱が出稼ぎに行く家庭だと秋のうちに薪を割って作っておかなければなりません。

わたくしは薪割りも薪を屋根まで積み上げて、それを取りに外に出るのがイヤでしたが、楽しんでる方々もいました。

そして、より強力な暖房手段として石炭ストーブが登場します。石炭ストーブは特に学校や公共施設で広く使用され、効率的に大きな空間を暖めることができました。

灯油ストーブの登場により、家庭でも手軽に使える暖房手段が広がり、暖房の選択肢がさらに多様化していきました。

↑の写真はFF式ではなく煙突式灯油ストーブです。ストーブの上で煮物を作ったり、アルミホイルで巻いたじゃがいもや、トウモロコシを焼く事もできます。

石炭ストーブの歴史と使い方

石炭ストーブは、明治時代から昭和中期にかけて広く日本で使用されました。

特に学校や公共施設、家庭で暖房器具として重宝され、厳しい寒さを乗り越えるために大きな役割を果たしました。

石炭を燃料とし、胴部の前方の開口部から石炭を入れて燃やし、後部の煙突で煙を外に排出するという仕組みです。

公立の小中学校の体育館奥に石炭小屋がありまして、日直になりますとスコップで一斗缶に入れて台車に載せて教室まで運び顔を黒くし、まるで小さな炭鉱マンと言う感じでした。

北海道の冬休みが本州より長いのは、学校で使う石炭を節約することから始まり、現在も続いています。

(昨年は夏が猛暑でしたので、今年は少し夏休みが長かったそうです)

本州も北海道も義務教育の年間の休みは同じなのですが、北海道は冬休みが長くていいな。や、本州は夏休みが1か月もあっていいな。と言ったりします。

石炭ストーブを使っている家庭には、玄関横に石炭をしまって置く場所があり、そこから小さなスコップで家の中まで運んで、石炭を入れすぎて煙突が真っ赤になったり、空気の窓で調整します。

これがいわゆる石炭手当で今の燃料手当です。

不景気と地域差の問題もあり無くす地方自治体や会社もあると聞きます。

この石炭ストーブ、形状が「だるま」に似ていることから「ダルマストーブ」とも呼ばれました。

使い方は比較的簡単で、石炭を胴部の前方から入れ、着火して燃焼を維持するために定期的に石炭を補給する必要があります。排出される煙は煙突を通じて外に排出されますが、煙突のメンテナンスは必須です。

使用にあたっては、燃焼中の温度管理が重要であり、燃料の補給も定期的に行わなければなりません。

薪ストーブの歴史と使い方

薪ストーブの歴史はさらに古く、14世紀後半にフランスで誕生し、その後、ヨーロッパ各地で普及していきました。

日本では1856年(安政3)に函館で初めて製作され、明治時代には一般家庭にも徐々に広まりました。薪ストーブは、鉄製の箱型ストーブが一般的で、ベンジャミン・フランクリンが開発した「フランクリン・ストーブ」が特に有名です。

このストーブの特徴は、燃焼効率の高さと、ストーブ周囲を暖める機能に優れていることです。

北海道発のストーブは宗谷で誕生

1856(安政3)年、箱館奉行の役人だった梨本弥五郎(なしもと やごろう)は妻を伴って宗谷行きを決意したとき、暖房の設備に不安を感じました。

そこで、煙突のついたストーブの原型を箱館の職人に命じて作らせ、宗谷に送ってもらうことにしましたが、なれない作業のため、なかなか送られてきません。

とうとう年が暮れようとしても届かず、おまけに部下の妻が身ごもっていたこともあり、弥五郎は宗谷で試作することを思い立ちました。

ちょうど宗谷には秋田藩の鉄砲修理などを手掛け腕のいい鍛冶屋として名をうっていた景蔵(けいぞう)というアイヌの男性がおり、彼に鉄製で試作させたところ、なんと!箱館て作る予定だった鋳物(いもの)の3分の1の費用で完成したのです。

1基の重さは煙突も53kgもあり、製造費用は4両2分、現在だと約30万円です。

この功績を箱館奉行に認められた景蔵は、役土人に取り立てられました。

こうして完成された1号機は早速子供を身ごもった部下宅で重宝され、続いて辺境の地であった網走、紋別方面にも送られました。

クヮヒルは、通説ではオランダ語だと言い、だとすればカッヘルオーフェン(煉瓦製タイル張りの暖炉)のカッヘルから来たものといわれております。

クヮヒルは厳しい環境で越冬する者にとって救いの神となり、宗谷は鍛鉄(たんてつ)製実用ストーブの発祥の地と言う名誉を担うことになりました。

梨本弥五郎(なしもと やごろう)の妻・竹子は女人禁制と言われていた時代の神威岬を始めて越えた女性です。

そのお話は当ブログの【神威岬】の→こちら

薪ストーブに使われる木は?

北海道で薪ストーブの燃料としてよく使われる木材には、広葉樹と針葉樹の2種類があります。広葉樹の中でも特にナラやカシは火持ちが良く、薪ストーブに最適です。

カシは「薪の王様」とも呼ばれ、その燃焼効率の高さから広く利用されています。一方で針葉樹では、スギやヒノキが使用されることがありますが、ヤニが多いため煙突のメンテナンスが必要です。

子供の頃は、何の木か分からず、山から運んでオノで割っておりました。

木の種類による薪の値段の違い

薪の値段は木の種類によって異なります。広葉樹の方が針葉樹よりも高価であり、広葉樹は火持ちが良いため、長時間の燃焼が可能です。

しかし、乾燥に時間がかかるため、その分コストが高くなる傾向があります。針葉樹は着火しやすく、価格も安めですが、燃焼時間が短いため、広葉樹と組み合わせて使うことが推奨されます。

薪の選び方は、使用目的や予算に応じて異なりますが、広葉樹と針葉樹をバランスよく使うことで、効率的な燃焼が実現します。

石炭ストーブと薪ストーブのメンテナンス方法

石炭ストーブや薪ストーブを長く使うためには、定期的なメンテナンスが必要です。石炭ストーブの場合、本体の外側を柔らかい布で拭いてほこりを取り除き、燃焼室内の灰やすすを定期的に除去することで燃焼効率を保ちます。

特に煙突内にたまった煤やタールを掃除しないと、煙道火災のリスクが高まるため、専用のブラシを使って煙突の掃除を行います。

薪ストーブの場合は、ガラスドアがすすで曇ることがあるため、専用のクリーナーでの定期的な掃除が必要です。炉内の灰を完全に冷まし、専用のコンテナに保管することで安全に処理します。

シーズン終了後には、煙突の掃除と炉内の掃除を忘れずに行い、次のシーズンも快適に使用できるように準備します。

現代の暖房器具の多様化

現代の北海道では、暖房器具がさらに進化し、多様な選択肢が提供されています。

たとえば、セントラルヒーティングは家全体を均一に暖めるシステムとして新築住宅で広く採用されています。

FF式ストーブは、室内の空気を汚さず、外に排気ガスを排出するため、クリーンで快適な暖房手段として人気です。

FF式は煙突ではなく、写真↑のように壁に排気口があります。ここに雪がドサッと落ちると、ドキッとします。

さらに、冷暖房兼用のエアコンや床暖房も普及しており、特に高気密・高断熱の住宅で効果を発揮します。

また、災害時などの備えとして、持ち運び可能なポータブル石油ストーブも多くの家庭で利用されています。これにより、停電時や非常時でも暖を取ることができ、北海道の厳しい冬を乗り越えるための重要なアイテムとなっています。

☆彡北海道の住宅における暖房器具は、時代とともに進化し、寒冷地ならではの工夫が随所に見られます。どの暖房器具を選ぶかは、住宅の構造や家族のニーズに応じて異なりますが、技術の進歩により、多様な選択肢が提供されている点は、北海道の暮らしに大きな利便性をもたらしています。

灯油ストーブとその歴史:北海道の冬に欠かせない暖房手段

北海道の厳しい冬を乗り越えるために、灯油ストーブは今や多くの家庭で使われている代表的な暖房器具です。

現代では、灯油ストーブは非常に普及しており、その暖房効果の高さから多くの家庭がこれを愛用しています。灯油を燃料として利用するこのストーブは、厳しい寒さを乗り越えるための強力な味方です。

一戸建てで子供部屋や寝室など分かれている場合は、別個に電気ストーブか灯油ストーブがあるといいです。

昔の電気ストーブはファン(風)がなく、そばに張り付いていましたが、今は色々ありますから悩みます。

子供が赤ちゃんの時は、灯油の小型のものは消した時の匂いが気になっていたので音も静かなのでデロンギのオイルヒーターを使っていました。

しかし、灯油ストーブを使用するためには、灯油を適切に保管し、必要な量を常に確保しておくことが重要です。そのために、昔から「ドラム缶」や「灯油タンク」が活用されてきました。

ドラム缶と灯油タンクの歴史と役割

放送期間:2023/10/09~12/11 場所:場所の設定 1988(昭和63)年 初冬 ドラム缶
放送期間:2023/10/08~12/11 場所:場所の設定 1988(昭和63)年 初冬 年代的に灯油ストーブ
放送期間:2023/10/09~12/11 場所:場所の設定 1988(昭和63)年 初冬 

ドラマはseason3まで、劇場版が3本あります。season3から函館が舞台で【劇場版 おいしい給食 Road to イカメシ】はアマゾンプライムビデオで無料視聴と有料レンタルで視聴できます。

ストーブの上に鍋や蒸発皿を置いて中に牛乳瓶を入れて飲んだことが懐かしいです。

昔は、ドラム缶を使って灯油を貯蔵するのが一般的でした。ドラム缶は約200リットルの容量があり、冬の間に多くの家庭で使用されていました。

55ガロン(約208リットル)や85ガロン(約315リットル)といったサイズのものも見られましたが、標準的なサイズは200リットルが主流でした。

赤色が多いんですけど意味はないと聞きました。

多くの家庭では、このドラム缶から18リットルの容器に灯油を移し替えるために、手動のポンプが使われていました。

この「灯油ポンプ」や「手動ポンプ」は、手軽に灯油を汲み取るために便利な道具として、特に寒い季節には重宝されました。

現代の灯油タンクの普及とその機能

現在では、ドラム缶はあまり見られなくなり、代わりに「灯油タンク」が広く使われるようになっています。

戸建て住宅や集合住宅、マンションの外には、多くの場合、この灯油タンクが設置されており、灯油を適切に保管する役割を果たしています。

灯油タンクは、各家庭で必要なときに使う分だけ灯油が流れ、使用量に応じて料金が請求されるシステムになっています。

この便利なシステムのおかげで、かつてのように大きなドラム缶を購入し、頻繁に灯油を補充する手間が省けるようになりました。

灯油タンクの容量はさまざまで、一般的な家庭用では490リットルが主流です。また、写真↑は90リットルです。

90リットルから200リットルといった、より小さな容量のタンクも存在し、使用する場所や目的に応じて選択されることが多いです。

灯油タンクの普及によって、寒い冬の間も家庭で安定した暖房が確保されるようになっています。

灯油ポンプとその使い方

2024/09/10 近くのダイソーに行きましたら売っていました。

灯油タンクやドラム缶から灯油をストーブに移し替える際に使用する「灯油ポンプ」は、特に寒冷地での生活には欠かせない道具の一つです。

2024/09/10 近くのお店で水を吸いこむのに使っていました。 許可を得て撮影させて頂きました

このポンプは手動で簡単に操作でき、ドラム缶やタンクから灯油を18リットルの容器に移す際に非常に便利です。ポンプを使うことで、灯油をこぼす心配もなく、安全にストーブに補給することができます。

☆彡このように、北海道の住宅には灯油ストーブとその関連設備が、寒さに対する大きな役割を果たしており、冬の快適な生活を支えています。

ドクター中松が発明した「醤油ちゅるちゅる」と灯油ポンプの関係:知られざる歴史と仕組み

北海道の冬に欠かせない灯油ポンプですが、その歴史に意外な人物が関与していることをご存じでしょうか?

発明家であるドクター中松(中松義郎)が開発した「醤油ちゅるちゅる」は、実は現在も多くの家庭で使われている灯油ポンプのルーツとして知られています。

このポンプはもともと醤油を移し替えるために考案されたものですが、その仕組みは後に灯油を移すポンプとしても広く活用されるようになりました。

醤油ちゅるちゅるの誕生と灯油ポンプへの応用

ドクター中松は、発明家として多くの画期的な製品を世に送り出してきましたが、その中でも特に有名なのが「醤油ちゅるちゅる」というユニークなポンプです。

醤油ちゅるちゅるとは売っていませんでしたが、これを指すようです。2024/09/10 近くのダイソー

このポンプの誕生のきっかけは、幼少期に母親が重い一升瓶から卓上醤油差しへ醤油を移し替えるのに苦労している姿を見たことにあります。母親を楽にさせたいとの思いから、もっと効率的に醤油を移し替える方法を考案した結果、生まれたのが「醤油ちゅるちゅる」なのだそうです。

※優しい気持ちから作られたものと聞いてうるうる。

この「醤油ちゅるちゅる」の仕組みは、気圧を利用して液体を移すというサイフォンの原理を応用したもので、数回ポンプを握るだけでその後は自動的に液体が流れるように設計されています。

このシンプルかつ効率的な仕組みが、後に灯油を移し替えるポンプにも応用され、灯油ポンプとして広く使われるようになりました。

醤油ちゅるちゅるの正式名称とその機能

「醤油ちゅるちゅる」という愛称で親しまれているこのポンプの正式名称は「石油燃焼機器用注油ポンプ」です。

石油燃焼機器とは、灯油ストーブや石油ファンヒーターなどを指し、これらの機器に灯油を供給するためにポリタンクから簡単に灯油を移す道具として、このポンプが活躍します。

名前から「お弁当の魚型醤油差し」をイメージする方もいますが、これは全く別物で、灯油ポンプは効率的に大量の灯油を安全に移すために特化した道具です。

ドクター中松が発明したこの「醤油ちゅるちゅる」は、ポンプ部分にスプリングを使用しており、空気弁がないという特徴がありますが、その基本的な仕組みは石油・灯油ポンプとほぼ同じです。

実際、サイフォンの原理を使って液体を移動させる技術は1907(明治40)年に特許を取得しており、ドクター中松が「醤油ちゅるちゅる」を開発したのは1947(昭和22)年なので、この技術自体はすでに存在していました。

それでも、彼の発明が灯油ポンプとしても広く普及するきっかけを作ったと言えます。

灯油ポンプの仕組みとサイフォンの原理

「醤油ちゅるちゅる」や灯油ポンプの使い方は非常に簡単です。まず、ポリタンクを高い位置に置き、ストーブのタンクを低い位置に設置します。

その後、ポンプのホースをストーブのタンクに入れ、ポンプを2〜3回握ることで、灯油が自然に流れ出し始めます。この動作の裏にあるのがサイフォン式の原理です。

これは、高い位置から低い位置へと自然に液体が移動する現象を利用したもので、ポンプを使って最初に気圧を加えることで、その後は自動的に灯油が流れるようになります。

ポンプの上部にあるキャップを開けると、気圧が抜けて液体の流れが止まるため、タンクが満杯になる前にこのキャップを開けて灯油の供給をストップします。これにより、過剰な供給やこぼれを防ぐことができるのです。

ドクター中松の発明がもたらした日常の便利さ

ドクター中松の発明である「醤油ちゅるちゅる」は、その発明当初は醤油を効率的に移すための道具として開発されましたが、現在では灯油ポンプとしても広く利用され、家庭の日常生活を支える重要なツールとなっています。

彼の発明は、灯油を使った暖房機器の効率的な運用を支え、北海道の寒さをしのぐために欠かせない存在となっているのです。


このように、シンプルながらも画期的な仕組みが、日常の生活を快適にし、寒冷地での生活を支えている点を強調してお伝えしたいと思います。

北海道の灯油高騰時代:灯油節約と防寒の工夫

わたくしがバスガイドをしていた頃、お客様によくお話ししていたのが、北海道の灯油事情や灯油節約のための様々な工夫についてでした。

正確な年月日は調べても出てきませんが、灯油の価格が急激に高騰した時期があり、多くの人々が灯油を節約するために様々な工夫を凝らしていた時代がありました。

北海道の冬は非常に厳しく、通常は灯油を使って家を暖めるのが一般的です。しかし、灯油が高騰すると、灯油ストーブを使い続けるのが難しくなる家庭が増え、他の暖房手段を模索する人々も多くいました。

中には、電気こたつを買う方や、昔ながらの「ちゃんちゃんこ」を再び使う方もいたのです。

北海道では珍しい電気こたつと、ちゃんちゃんこの復活

通常、北海道ではあまり使われない電気こたつですが、灯油が高騰した際には多くの家庭で導入されました。

こたつは電気を使って局所的に暖を取るため、家全体を暖める灯油ストーブに比べて費用を抑えることができたのです。

また、暖かさをキープするために、スキーウェアや帽子を家の中で着たり、使い捨てカイロを活用する工夫も見られました。

特に「ちゃんちゃんこ」が再び脚光を浴びたのは興味深い点です。「ちゃんちゃんこ」は袖のない羽織の一種で、軽くて暖かく、冬の防寒着として昔から使われていました。

しかし、現代の道民にはあまり馴染みがなくなっているため、若い世代の方にはこの服を知らない方も多いかもしれません。

ちゃんちゃんことは?その由来と役割

ちゃんちゃんこ」の正式名称は「袖無羽織(そでなしはおり)」であり、江戸時代から使われている伝統的な防寒着です。

多くは綿を入れて作られており、軽くて暖かいのが特徴です。地方によっては「どんぶぐ」や「でんち」、「はんこ」「どてら」「はんてん」といった異なる名前で呼ばれることもあります。

名前の由来は、江戸時代に飴を売り歩いた清国人の服装に由来し、鉦(かね)を叩く音に合わせて「ちゃんちゃんこ」と呼ばれるようになったとされています。


ちゃんちゃんこは、灯油節約のために厚着をする際にも非常に便利なアイテムであり、家の中での防寒に最適です。わたくしもバスガイドをしていた頃、お客様にこの話をよくしていました。

灯油盗難防止のために開発された「とめるくん」

灯油高騰時には、残念ながら灯油を盗む事件も増えていました。灯油タンクに保存していた灯油が盗まれてしまうという問題が北海道各地で発生し、灯油を節約している人々にとっては大きな悩みとなっていました。

そこで登場したのが「とめるくん」という盗難防止装置です。株式会社ホクエイが開発したこの装置は、灯油タンクの給油口に取り付けることで、ホースを使った盗難を防ぐ仕組みになっています。

この装置は、特に灯油価格が高騰していた時期に注目され、安心して給油ができる防犯対策として多くの家庭で導入されました。


便利な点は、給油時に鍵を開ける必要がないことです。これにより、灯油の供給がスムーズに行え、普段使いに非常に適していると評判です。

2021年11月25日にヒルコのウェブサイトで紹介され、現在も灯油の盗難防止対策として利用されています。

灯油節約と防寒の工夫:冬を乗り切る道民の知恵

灯油価格の高騰は多くの家庭にとって大きな問題でしたが、その困難を乗り越えるために多くの道民が様々な工夫を凝らしました。

写真↑家でもダウンジャケットとネックウォーマーな人。暖房費を節約するために、家の中でもスキーウェアや帽子をかぶり、使い捨てカイロを使うなどして、少しでも暖かさを保つ工夫をしました。

長袖のヒートテックと、とっくりの服と、もふもふでふわふわのこれまた、とっくりのパジャマ、そして首まですっぽり腕だけ出して本を読んだりスマホをみたり出来る毛布。

毛布の下には羽毛布団と更に毛布。「綿のシーツが暖かいよ」と布団店の店主が言うのでそのようにしています。

このように、北海道の厳しい冬を快適に過ごすためには、昔ながらの知恵や、現代の技術が融合して活用しているのです。

ママさんダンプの誕生と進化:女性にも扱いやすい除雪用具の歴史

北海道の冬には、除雪作業が欠かせません。雪かき用具の中でも特に人気があるのが「ママさんダンプ」というスノーダンプの一種です。

こちらのお名前をお聞きになったことがある方も多いかもしれませんが、実はこの道具には深い歴史と工夫が詰まっています。

ママさんダンプの考案者とそのルーツ

ママさんダンプの歴史は、昭和36年(1961年)にまで遡ります。石川県吉野谷村に住む宮村勝さんが鉄製の「スノッパー」を考案したのがその始まりです。

宮村さんは、雪の多い地域に住む人々のために、重い雪を効率よく運ぶ方法を模索していました。そして生まれたのが、この「スノッパー」と呼ばれる除雪用具です。

その後、新潟県のニラサワ製販株式会社がプラスチック製のスノーダンプを開発し、これが「ママさんダンプ」として広く普及しました。

鉄製のスノッパーに比べて、プラスチック製は非常に軽く、扱いやすいのが特徴です。特に女性でも簡単に使えるという点が評価され、冬の除雪作業において欠かせない存在となりました。

「ママさんダンプ」の名前の由来

「ママさんダンプ」という名前には、興味深い背景があります。昔、特に冬季には、男性が出稼ぎに行くため、残された女性が除雪作業を行うことが多かったのです。

そのため、除雪作業が女性の仕事となる地域も多く存在していました。プラスチック製のスノーダンプは軽く、女性でも簡単に雪を運べるという意味から、「ママでもダンプカーのように雪が運べる」との発想で「ママさんダンプ」という名前が付けられました。

このネーミングが普及した理由は、軽さと使いやすさに加えて、その名前の親しみやすさも一因です。実際に多くの家庭でこのスノーダンプが活躍し、家の前や駐車場の雪かきには欠かせないアイテムとなっています。

代表的な除雪用具とその使い分け

●スノープッシャー: 雪を押し出すための道具で、広い面積を短時間で除雪できるため、駐車場や玄関前の雪かきに最適です。

●電動除雪機: 大量の雪を短時間で処理できる電動除雪機は、特に積雪が多い地域で活躍します。雪の重さを感じることなく、効率的に雪を除去できます。

●家庭用除雪機: 小型で家庭用に適した除雪機は、手軽に使える点で人気です。特にマンションやアパートの住人にも適しています。

●スコップ: 雪を掘り起こすための基本的な道具で、除雪用スコップはさまざまなサイズや素材があり、用途に応じて選べます。

●融雪剤: 雪や氷を溶かすための化学薬品で、道路や歩道に散布して使用します。これにより、氷のスリップ事故を防ぎます。

●雪かきブラシ: 車に積もった雪を取り除くために使われるブラシで、特に車を所有している家庭では冬の必需品です。霜取りや解氷にも使用されます。

●雪落とし: 屋根やカーポートに積もった雪を落とすための道具で、プラスチック製のものが一般的です。屋根の雪を定期的に落とすことで、雪崩を防ぎます。
 

●氷割り: わたくしは「つるはし」と呼んでおります。凍結した雪や氷を割るための道具で、特に通路や歩道の安全確保に役立ちます。強力な刃が付いており、固い氷を簡単に割ることができます。

これらの用具を上手に使い分けることで、家庭でも効率的に除雪作業を行うことができます。特に、北海道の冬は長く、雪も多いため、これらの道具を活用して除雪作業を効率的に行うことが重要です。

「ママさんダンプ」と北海道の冬の暮らし

北海道の冬は、積雪と寒さとの戦いです。除雪作業は日常的なものであり、雪かき道具の選択が生活の快適さに直結します。そんな中、女性でも簡単に使える「ママさんダンプ」は、多くの家庭で愛用され、軽量で使いやすい点から、その人気は衰えることがありません。

この状態は雪の降り始めの硬くない状態で上の方の写真の除雪道具を使い雪かきをします。

また、「ママさんダンプ」のように、北海道の生活に密着した道具が地域の人々にとって欠かせない存在となっている点も、バスガイドとしてお客様に紹介する際に強調したい部分です。

除雪道具の進化は、寒さと雪の多い地域での生活を支える一端を担っており、その重要性は今後も変わることはないでしょう。

雪かきをせず放置して春まで車を動かさない方もいます。

まとめ

北海道の住宅は、寒冷地ならではの工夫が随所に見られる独自の特徴を持っています。屋根材や暖房設備、断熱技術の進化によって、より快適で効率的な住まいが実現しています。これからも新しい技術が加わり、北海道の住宅事情はさらに改善されていくことでしょう。

良くある質問Q&A

Q: 北海道の住宅で二重窓を使う理由は何ですか?
A: 北海道の厳しい寒さを防ぐため、二重窓や複層ガラスが採用されています。これにより、窓からの冷気を防ぎ、室内の暖かさを保つことができるため、寒さ対策として非常に効果的です。

Q: ママさんダンプはどこで購入できますか?
A: ママさんダンプは、ホームセンターやオンラインショップで購入できます。特に冬季には需要が高まり、北海道内の多くの店舗で販売されています。

Q: ガルバリウムとトタンの違いは何ですか?
A: トタンは亜鉛メッキ鋼板で、ガルバリウムは亜鉛にアルミニウムとシリコンを加えた合金で作られた鋼板です。ガルバリウムの方が錆びにくく、耐久性が高いという利点があります。

Q: セントラルヒーティングは北海道全域で使われていますか?
A: セントラルヒーティングは、特に新築住宅や大きな住宅で普及しています。全域で使われているわけではありませんが、家全体を均一に暖めるために多くの家庭が導入しています。

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